6.2. 校正モード

Felixには、翻訳を校正するための校正モードが用意されています。校正モードの動作は、基本的には「翻訳モード」(翻訳モード を参照)と同じですが、原文ではなく訳文 を検索する点で異なります。また、登録した翻訳を確認するという観点から、翻訳時に使用または作成したメモリを使用することがポイントです。

校正モードに入るには、ツールバーから「切り替え」ボタンをクリックします。

「校正モードへ切り替え」ツールバー・ボタン

校正モードでは、ボタンの色が反対になります。

校正モードのツールバー

ノート

Word 2007以降では、メニュー・ツールバーがAdd-Insのタブで表示されます。ワード2003では、校正モード中は、角括弧で囲まれたアスタリスク ([*]) がメニュー項目の右側に表示されます。このアスタリスクによって、校正モードであることが分かります。

以下、校正モードの各機能を説明します。

6.2.1. 訳文を検索する

校正対象の次の分節(文や段落)を自動的に選択して翻訳メモリを検索するには、校正したい分節の先頭文字の前にカーソルを置き、ショートカット ALT + → を押します(または、[Felix] メニューから [次の文の検索] を選択します)。校正対象のテキストが始まるまでの空白文字がスキップされた後、次の終止符(ピリオドなど)、Tab、改行文字、セグメント終了記号に至るまでのすべてのテキスト(これを「分節」と呼びます)が自動的に選択されます。選択された分節は Felix 翻訳メモリ ウィンドウの [照会] フィールドに転送され、その分節に類似した翻訳エントリ(原文と訳文の分節ペア)が翻訳メモリ内で検索されます。

翻訳メモリでは、テキストのほとんどの書式情報(テキストのフォント、色、太字、斜体など)が保持されています。ただし、強調表示や配置(中央揃えなど)のような一部の書式情報は失われます。

翻訳メモリ内で検索する校正訳対象の分節を手作業で指定する場合は、任意のテキスト セグメントを選択した後、ショートカット ALT + L を押します(または、[Felix] メニューから [選択範囲の検索] を選択します)。

現在選択中の分節を拡張し、次の分節までを1つの分節としてとめる場合は、ショートカット Ctrl + → を押します(または、[Felix] メニューから [検索対象範囲の拡張] を選択します)。

翻訳モードの場合と異なり、 照会は原文セグメントではなく訳文セグメントに対して行われます。また、一致スコアはメモリエントリの[原文] フィールド内のテキストではなく、 [訳文] フィール内のテキストとの類似度を示します。下記の画面を参照してください。

6.2.2. 複数の翻訳候補を操作する

Felix の翻訳メモリ内で分節を検索すると、翻訳メモリ ウィンドウの [ツール] メニューから [プロパティ...] > [メモリ ] タブで指定された最小一致スコア以上の翻訳エントリがすべて取り出されるため、複数の翻訳候補が提示されることがあります。翻訳候補の数、および表示中の翻訳候補の番号は、翻訳メモリ ウィンドウの右下に表示されます。

Felixのウィンドウでファジーの一致が表示される

Felixのウィンドウでファジーの一致が表示される

この例(1/2)では、2つの翻訳候補のうち、最初の1つが表示されています。

次の候補を表示するには、翻訳メモリ ウィンドウ内の [次へ] をクリックするか、Wordからショートカット Alt + N を押します(または、[Felix] メニューから [次の訳文へ] を選択します)。

ちなみに

次の訳文候補のスコア(この例では68%)が [次へ] の右側のカッコ内に表示されます。

前の候補を表示するには、翻訳メモリ ウィンドウ内の [戻る] をクリックするか、Word 内部からショートカット Alt + P を押します(また、[Felix] メニューから [前の訳文へ] を選択します)。

ちなみに

前の訳文候補のスコア(この例では68%)が [ 戻る] の右側のカッコ内に表示されます。

候補は循環的に表示されます。最後の候補が表示されているときに [次へ] をクリックすると、最初の候補が表示されます。 同様に、最初の候補が表示されているときに [戻る] をクリックすると、最後の候補が表示されます。

6.2.3. 訳文を訂正する

校正対象分節(訳文)を選択・照会して翻訳メモリ ウィンドウの [照会] フィールドにその訳文が表示された状態(上記の「5.3.2 訳文を検索する」を参照)で、訂正内容を(上書き)入力し、訳文の末尾にカーソルを置いて、ショートカット Alt + ↑ を押します(または、[Felix] メニューから [訳文の登録 ] を選択します)。選択されていた元の分節の先頭からカーソルの現在位置までのセグメントが訳文として翻訳メモリに登録されます。

訳文として登録するセグメントを手作業で指定する場合は、目的のテキスト セグメントを選択した後、ショートカット Alt + ↑ を押します(または、[Felix] メニューから [訳文の登録 ] を選択します)。現在選択中のセグメントが訳文として翻訳メモリに登録されます。

ちなみに

現在の訂正訳文を翻訳メモリに登録した後、次の分節を自動的に選択して翻訳メモリを検索するには、ショートカット Alt + S(S=Setの意味)を押します(または、[Felix] メニューから [登録して次へ] を選択します)。これは、ショートカット Alt + ↑(訳文の登録)を押した後、Alt + →(次の文の検索)を押すのと同じです。

6.2.4. グロサリエントリの追加

校正の途中に、用語の登録もできます。この操作は、Word内から簡単にできます。用語の訳語を選択して、メニューから「用語の登録」を選択します。あるいは、「Alt + M, G」を押します。

[Felix用語の登録] ダイアログボックスが表示されます。指定した訳語の原語を入力して、「登録」ボタンをクリックします。エントリ(原語と訳語のペア)がFelixのグロサリに追加されます。

6.2.5. 翻訳エントリを削除する

文節を選択・検索して翻訳メモリ ウィンドウに目的のエントリを表示した状態で(上記の 訳文を検索する を参照)、Word からショートカット Alt + D(D=Deleteの意味)を押します(または、[Felix] メニューから [エントリの削除] を選択するか、[Felix] ウィンドウ内の [削除] リンクをクリックします)。

翻訳エントリを削除してよいかどうかを確認するメッセージが表示されます。翻訳エントリを本当に削除してよい場合は、[はい] をクリックします。翻訳メモリ ウィンドウに現在表示されている翻訳エントリが削除されます。翻訳エントリの削除を中止する場合は、[いいえ] をクリックします。翻訳エントリは削除されずに残ります。

6.2.6. 翻訳メモリから訳文を復元する

訳文を編集後、翻訳メモリ内に保存された訳文を復元、または現在の訳文を翻訳メモリ内の別の文に置き換えることができます。

目的のエントリを選択・検索して翻訳メモリ ウィンドウに表示した状態で(上記の 訳文を検索する を参照)、ショートカット Alt + ↓ を押します(または、[Felix] メニューから [訳文の取得 ] を選択します)。現在選択中のテキストが翻訳メモリ ウィンドウ内の訳文で置き換えられます。

ちなみに

翻訳メモリから訳文を取得した後、次の訳文を自動的に選択して翻訳メモリに照会するには、ショートカット Alt + G(G=Getの意味)を押します(または、[Felix] メニューから [取得して次へ] を選択します)。これは、ショートカット 「Alt + ↓」、「Alt + ↑」(訳文の登録)を押した後、Alt + →(次の文の検索)を押すのと同じです。

6.2.7. グロサリ エントリを取得する

翻訳メモリ内で訳文を検索するときは、その訳文の原文も、現在開かれているすべてのグロサリ ファイル内で検索されます。グロサリ ファイル内のエントリに完全(100%)一致した用語は、各グロサリ ファイルに対応するグロサリ ウィンドウに表示されます。これにより、グロサリに含まれてる技術用語を使用しているかを簡単に確認することができます。例えば、クライアントの指定用語に厳密に従わなくてはならない場合などには有効です。

用語検索結果の表示

用語検索結果の表示

訳文を入力するときなどは、キーボード ショートカットまたは [Felix] メニューを使用して、メイン グロサリ ウィンドウからグロサリ エントリを取得することができます。メイン グロサリ ウィンドウから用語(訳語)を取得するには、ショートカット ALT + (は0~9の数字でグロサリ エントリの番号を示す、フルキーにのみ対応)を押します(または、[Felix] メニューから [グロサリエントリの取得...] > [エントリ ] を選択します)。エントリ番号が9以上の用語を取得する場合は、ショートカット ALT + M, H (IMEがオンになっている場合、このショートカットは使用できません)を押します。入力ボックスが表示されますので、エントリ番号を入力して Enter キーを押します ([Felix] メニューを使用する場合は、[グロサリ エントリの取得...] > [エントリ番号の指定... ] を選択し、表示されるテキストボックスに任意のエントリ番号を入力します)。

6.2.8. コンコーダンス(一致)検索

翻訳の校正作業を進めるときに、以前の訳文で特定の単語やフレーズ(原文)をどのように翻訳したのかを確認したい場合があります。そのような場合のために、コンコーダンス(一致)検索機能が用意されています。この機能を使用するには、確認する用語やフレーズ(原文)を選択して、ショートカット Alt + M, C を押します(または、[Felix] メニューから [コンコーダンス(一致)検索 ] を選択します)。翻訳メモリが検索され、指定された用語やフレーズを [訳語] フィールドに含むエントリが翻訳メモリ ウィンドウに表示されます(一致した文字列は黄色で強調表示されます)。 コンコーダンス(一致)検索の結果

6.2.9. メモリの保存

どのようなアプリケーションでも、データの整合性や安全性を維持して将来の悩みの種を摘むためには、適正なバックアップ戦略を確立することが重要です。Felix も例外ではありません。現在開いている翻訳メモリとグロサリ ファイルを保存するには、ショートカット Alt + M, Sを押します(IMEがオンになっている場合、このショートカットは使用できません)。または、[Felix] メニューから [メモリの保存] を選択します。